防音・防振・音響設計・施工
騒音や振動が発生する場所は、様々です。例えば工場ではモーター・送風機・ポンプ・
製造ライン・工作機・ボイラーなどが発生源となり、作業効率の低下や身体的被害のもとになっています。一般家庭では、交通・鉄道からの騒音や振動、また隣室・上階からの音など。その他、医療現場や商業施設等それぞれの環境に応じた防音・防振の設計から施工までを一貫して行なっています。
また、無響室・残響室・防音室・音響計測箱の設計・施工や各種実験設備の設計・施工も行ないます。
視聴覚・音響実験室
病院内の防音・防振対策
工場の低騒音化
機器の低騒音化設計・音利用技術
工場内の設備機器や家庭内の電化製品などは、騒音・振動の発生源になっているため低騒音化が求められています。その要求が強まるにつれて,設計の段階から静音化の考え方を取り入れる事が必要になってきました。
そのニーズに応えるためエーアールでは、初期設計から参画し材料の選定・構造の解析等を行ない、発生音の低減から操作性のデザインまで様々な面からサポートしています。
・ベルトコンベア、各種加工機
・酸素濃縮器、ガス供給設備
・閉鎖型保育器、NICU内設備機器
等、数多く手掛けています。
閉鎖型保育器
医療器メーカー
酸素濃縮器
病院各種ガス供給設備
音響材料開発・製造・販売
低騒音・低振動を実現するためには、まず材料からという考えのもとに、環境調和型音響材料の開発も行なっています。
音波干渉型遮音パネル
基本特許取得済(日中韓)
電気を全く使わないアクティブ騒音制御を活用した遮音パネル
@部材の厚さによる遮音性能を保ちます
A同材料を音源方向に凹型に曲げることにより、音源からの直接音とパネルを曲げた 角度で音が反射し、負の干渉による減音を確保します。
以上の@とAが重畳し、防音パネルに吸音材を使用せず、受音側で大きな減音量を確保することを可能にしたパネルです。
● 音波干渉型遮音パネルの特徴
・従来の遮・吸音パネルに比べ、3〜5dBの減音効果の増大
・音源と受音点が見通せる領域(パネル上部)で大きな減音効果を確保
・多孔質吸音材(グラスウール等)を使用せず、遮・吸音パネルと同等の反射音低減 効果あり
・従来型パネル(遮・吸音板)に比べ、低い周波数ほど減音量が大きい
・アルミ繊維製膜状吸音材(エーアールソーバー)を音源側に張り、
パネルと一体化することによりさらに約3dBの減音効果あり
・単一材料で構成されており、耐久性が高く、リサイクルが容易
・施工後ほとんどメンテナンスの必要がない
● 音波干渉の様子
パネル断面右側に音源があり、低い周波数はどの場所でもパネル湾曲内部及び外側で減音します。 A特性及び高い周波数でも音波の干渉により音の小さくなっている部分が多いことが分かります。
● 音響透過損失測定光景
● 音響透過損失測定結果(日本)
従来型遮吸音パネルに比べ、音源と受音点が見通せない領域で減音量大。
見通せる領域(赤字の部分)で大きな減音効果があります。
● 中国における音波干渉型遮音パネル性能実験
本遮音パネルは、日本だけでなく、中国においても展開しております。
パネル頂部より水平方向、受音側距離が離れると減音量が大きくなります。
頂部より更に上の部分、受音点より音源が視認出来る地点に置いても減音量が大となることがわかります。
日本における測定結果とほぼ同じ傾向を表わします。
パネル前面(音源方向)に到来音波が反射され、音波到来方向へ扇状の反射面を生じます。続いて到来する直接音と音波が干渉します。
そのため正および負の干渉が生じ、正の干渉の場合レベル増加、負の場合レベル減少となります。独特の形状のため、負の干渉が多くの周波数で生じ、全体として(AP)大きな減少効果を示します。
音源受音点間で回折減衰が生じるパネル位置(視認不可領域)の音源側パネル面でも同様の効果があり、全体として音の減音量が大となります。
●実験サイトを開設いたしました
音波干渉型遮音パネルの開発完了に伴い、茨城県筑西市(つくば山の西側)に、
日本鐵板株式会社、相互金属株式会社の協力により、
音波干渉型パネルの見学、性能を実験できる施設をオープンしました。
どなたさまでもご利用いただけます。
※実験には利用料がかかります
(例) ・ 統一型(汎用型)や他の遮音パネルとの性能比較実験をしたい
・ 遮音壁の高さを変えて性能比較をしてみたい
●実験で利用されたい方へ
※実験に際して必要なものの準備(汎用型パネルや測定機器の貸与など)についてもお見積もりいたします。
実験をご希望の場合、お気軽に下記までお問い合わせ下さい。
(株)エーアール 03-5269-3441
●設置例
☆大規模工場敷地境界線近傍防音壁
☆木チップ製造設備騒音低減用防音壁
☆他設置例
ファブソーバー (Fab Sorber)
肌に優しい多孔質不織繊維吸音材
不織繊維積層型吸音材
ファブソーバー はペットボトルをリサイクルし、繊維状にしたものを積層に加工した低発塵ポリエステル繊維吸音材です。
ちぢれ状に加工した直径20ミクロンと100ミクロン程度の繊維を複合させ、不織積層状にしたものを熱溶融する事により繊維接合部が溶着し耐久性のある高性能な吸音率と断熱性を確保しています。
●
ファブソーバーの特徴
・ 広い周波数範囲で高い吸音率を示す。
・ 低発塵のため肌に優しい。
・ 任意の形状に加工できる。
・ 燃え難く事故消化性である。
・ 有害物質、有毒ガスの発生が無い。
・ 含有後の離水製が良い。
・ 建物の断熱材として利用できる。
● 施工例
● 音響性能
全天候型騒音・低周波音用防風スクリーン
一部特許取得済 他多数特許申請中
低周波音の測定を行う場合、風の影響により測定ができない事が多々あります。しかしながらやむを得ず、風のあるときに測定を行わなければならない場合、騒音測定用防風スクリーンをマイクロホンに付け、かつ地面近くで測定する事もありますが多大に風雑音低域を期待する事はできません。
本防風スクリーンは雨や強風時に長時間の音測定を目的とした防風スクリーンで、騒音と低周波音を同時測定できる構造です。そのため、大量の雨・強風時においても反射板中央に設置しているマイクロホンが雨に濡れるようなことはまったくありません。
音の性状を正しく測定するためにマイクロホンを反射板近傍に設置し、直接音や反射音の干渉によるスペクトルの変化を軽減し、正確な音量を測定することを可能としています。
また、風に対してもスクリーンは風雑音の発生が小さく、割合と小さな音でも測定が可能です。
防風スクリーン外観
反射板にマイクロホンをセットした様子
内部スクリーン
●
構造
スクリーン材料には、当社が開発したAl箔繊維吸音材、「エーアールソーバー」に使用しているものと同一材料のアルミ箔繊維を積層とし、電熱炉で成型し、音波はスムーズに透過させ、雨滴は繊維表面に沿って流れるような二重構造(内部スクリーン、外部スクリーン)にしています。
● 風雑音減少効果
風雑音の低減効果は、マイクロホンに直接風があたったとき(防風スクリーンなしのとき)に発生する雑音レベルを基準とし、風速を5m/sから30m/sまで変化させたとき、騒音計の周波数補正を平坦特性(FまたはZ)にした場合は約36〜38dB、周波数補正をA特性にした場合は約28〜26dBの低減効果があります。風速が変化しても安定した風雑音低減効果を発揮します。
【騒音計の平坦特性による測定】
風速
5m/s:約36dB
10m/s:約38dB
20m/s:約36dB
【騒音計のA特性による測定】
風速
5m/s:約28dB
10m/s:約28dB
20m/s:約26dB
● 周波数特性への影響
周波数特性への影響については、マイクロホンに直接風があたったとき(防風スクリーンなしのとき)に発生する雑音レベルを基準として、風速を10,15,30m/sで変化させたとき、下記の代表的な周波数において風速が変化しても一様の風雑音低減効果を発揮します。
【騒音計の平坦特性による測定】
高速
10m/s
15m/s
20Hz
38dB
38dB
50Hz
34dB
38dB
100Hz
40dB
34dB
500Hz
32dB
34dB
【騒音計のA特性による測定】
高速
10m/s
15m/s
20Hz
40dB
34dB
50Hz
38dB
32dB
100Hz
36dB
30dB
500Hz
30dB
36dB
●
防風スクリーンのマイクロホンに与える周波数の影響
無響室(風なし)におけるスクリーン装着時(ピンク:一次・二次スクリーン装着時、青:一次スクリーン装着時)のスクリーン無し時との差による周波数レスポンスは、12.5Hzから1kHz付近までは+/−1.0dB以下で、1kHz付近から16kHzまでは2dB程度以下で、ウインドスクリーンによる周波数特性への影響はほとんどありません。
なお、音波は反射板に設置されたマイクロホンの正面方向(0°)より5°、45°、90°の3方向からスピーカーで入射し、各スクリーン装着条件の周波数特性はその平均値としました。
【オプション】 防風スクリーンの低周波音領域風雑音低減ウインドジャマー
ウインドジャマーを装着すると、ウインドジャマー付きの場合の方が防風スクリーン単体の場合より風雑音レベルがスクリーン表面で発生する風の雑音が4〜8dBくらい異なり、風雑音を低減する効果があります。
風力発電装置音測定時にウインドジャマーを使用している例
● 使用例
風力発電装置の音測定
内部防風スクリーンの位置の如何にかかわらず、外部防風スクリーンを写真のようにセットすることにより、風雑音を大きく軽減し、特に低周波音の測定が容易になります。
新幹線実車走行音測定用(台湾)
二重構造により、新幹線の走行に伴う苛酷な環境においても塵埃防止と風雑音の低減を図ることができます。堅ろうで耐久性の高いものとなっております。
取付作業
取り付け箇所
エーアールソーバー(アルミ箔繊維吸音材)
特許取得済
・
高耐熱、無発塵、物理的な力にも強い。
・
繊維及びチップ等、熱溶着で不純物がないため環境汚染の 原因になりません。
・
リサイクル可能。
(アルミ以外の材料を全く使用していないため、リサイクルが可能です)
・
水洗いが可能でメンテナンスが容易です。
・
電磁波シールド効果の高い吸音材です。
・
高温、燃焼によるガス等の排出がありません。
● 音響性能
エーアールソーバーの吸音率
(インピーダンス法)
エーアールソーバーサンドイッチ構造
(繊維+アルミ空き缶チップ+繊維)の吸音率
(インピーダンス法)
● 施工例
流れ場騒音試験用無響室
風速100m/sec以上の力に耐え、無発塵・
防水構造
携帯電話評価のための無響室
シールド効果、狭空間での接触による繊維破壊、
性能低下がない。
大規模駐車場に設置された防音壁
水洗可能で、排気ガス等の付着が少ない。
(光触媒等のコーティングも可能です)
透光膜吸音材
・
発塵、飛散がありません
・
100%リサイクル可能です
・
耐食、耐熱、耐薬品です
・
取付方法が自在です
・
ゴミ付着が少なく汚れにくい